一般化っていうのは、ハゲのおっさんがたまたま質疑応答に応じたことに対して「彼だから大丈夫だっただろうけど、他の人だったらどうか分からない。というか、他の人だったら傷つく。だからあの仕組みはダメだ」という論なのだけど
（ちなみに、結論は人それぞれ違っているみたいで、ニコニコは低俗だって言いたい人と、道徳をみんなに広めたい善い人と、正義だから正義だ！って言ってる人と、結局何が言いたいのか分からない人とかがいる）
これって、一歩間違えると体感治安と同じ問題を抱えてる。

つまり、
「今回は何も被害が起きなかったが、一歩間違ったら大変なことになっていたに違いない。だから規制すべき」
とか
「この痛ましい事件の原因が、これ（ゲームとか漫画とかナイフ）である可能性は０ではない。０でない限り規制すべき」
という類の話で、
まあ、体感治安の何が問題で、何が必要な部分かって話は、こういう議論してる人にとっては分かりきった事だからあえては言わないけど、少なくともこの理屈を使うと想定の中ではいくらでも危険を作り出して、全てを禁止の方向に向けることができちゃうんだよね。

今回の話で言うと、一般化って言ってる人は「一般人の多くが、大きく傷つくに決まっている」っていう「常考」とかいうやつを持ち出してるけど、その逆の人は「そんな傷つくヤツいないだろ」とか「傷つくヤツは前に出ないだろ」とかいう「常考」を持ち出していて、なんていうか、これ議論になってなくない？

例えばさ、今回はハゲおっさんが、ハゲって書かれたときにおちゃらけたり、本人も楽しんだ表情をしていたのだとして、だから盛り上がっちゃったって可能性もあるよね？

皆が静まるまでハゲ頭に手置いて林家三平のマネして時間潰して、それから話し直した
ハゲのおっさんから一言（追記2回目有り）

「イッパンジン」とかが壇上に上がって、ハゲって言葉にびっくりしてガーン！ってなって悲しそうな顔してたら、会場の人も笑わなかったかもしれないしそんな沢山コメントが無かったかもしれない。
かもしれない。かもしれない。
結局さ、その会場でハゲおっさんじゃなかったら、いじめ状況になっていたのかさえも、「かもしれない」なわけで、その「かもしれない」を当たり前だろ！ってくっつけて論じていると、さっき言ってた体感治安と同じ文法なわけで、とっても危ない。

もちろん、ニコニココミュニティがいじめの危険を孕んでいるという分析は非常に有意義だし、考察に値するし、実際僕も危険部分があると思う。
でも、「このおっさん以外でもこいつらは言葉の暴力を浴びせたに違いない」とか「おっさんは本当は傷ついていたんだ」っていう勝手な想定を元に、「ニコ厨は低俗」って言ってる人は、全然間違ってるよね。
この２つの違い、わかるよね？

最後にもう一個、いじめは良くない。
いじめは良くないのは、その人が傷つくから。悲しんじゃうから。
だから、相手の気持ちに関係なく「外見を色々言うのはいじめ」って言ってしまう短絡的定義は
「じゃあ外見じゃなかったらいいの？」っていう問題を孕む。
（具体的に言えば、何気なく言った感想をあげつらって「パラダイムシフト？（笑）ププッ、そりゃあ凄いねぇ（笑）」ってのはいじめの可能性があるよね？）
もちろん、多くの場合、外見に対する罵倒は相手を傷つけるから、いじめとニアイコール。
でもイコールじゃない。

いじめは、何を言ったか？ではなく、
「何を感じさせようとしたか」と「何を感じてしまったのか」で決められるべきじゃないのかな？

※時間も自信もあんまり無いエントリーなので反論とか補足とか、上手く出来るかわかりません。