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2007年05月23日

 解明できないものへの解明このエントリーを含むはてなブックマーク

ちょっと最近忙しくてニュースを拾うタイミングが遅いんだけども
今日はこの話についてちょっと。
Yahoo!ニュース - 会津若松の母親殺害事件
J-CAST ニュース : 切断された母親の右腕と 過激ロックスターとの関係
痛いニュース(ノ∀`):「母親を殺した」 高3男子、切断された頭部を持って出頭…福島

ニュースでは「どうしてこんなことに」という、動機や原因の解明に熱心のようだ。
分からないものは恐ろしい、だから僕らのモノサシにその理由があるのではないかと探し回る。
でも本当に理由なんてあるのかなとぼんやりと思ってしまう。

常識とか普通とか自然というものは、世界にさまざまにある可能性を1つだけ取り出した結構エントロピーの高いものだから、そうでないものの方が世界には実は自然だったりする。
もっとかみ砕いて言えば人間が人を愛したりとか思いやりを持ったりとか普通の考えを持っていたりすることって、よく考えればすごく難しいことで、普通普通って言うけどさ、よくまあ人間の遺伝子がこれだけの精度でそれを維持しているもんだと感心すべきくらい凄いことなわけだ。
で、そういう精密機械のような人間が何億もいたら、(凄く人聞きの悪い、誤解をまねかねない単語を使えば)「欠陥」が存在してもおかしくない。
もちろん、製品における欠陥と今言った「欠陥」には大きな意味の違いがあるのは理解してくれると思う。そこら辺は期待しておく。
数学が苦手なのも、ピアノが異様に上手なのも、一つのことに集中しすぎてしまうのも、漢字が覚えられないのも(最後は僕のことだが)欠陥だ。普通という常識からすれば。
でも、それが人間の社会の中では、っていうか生物である限りは、新しい長所になったり短所になったりという可能性を広げることになるわけなんだけども、まあこの話は長いから割愛。
話を戻すと、人間には先天的にしろ後天的にしろ、「普通」でなくなることがある。
たとえば脳みその一部を取ってしまえば感情が奪われるだの、反応を返さなくなるだのってことがある。
(もちろんその状況に大きく関係するだろうけど。)

産まれる時にごく稀に体の一部が無い、もしくは通常とは形が違う子供いることをみんなは知っている。
産まれてから生活の中で、体の一部を失ったり通常の機能を失う人がいることをみんなは知っている。
そしてそれらには、ある程度同情的だ。
でも、生まれる時や生まれた後にに脳の機能の一部が人と違うという可能性についてはあまり感覚的に理解されないこと、もしくは想像の範疇内に無いことのようなのだ。
(例えば自閉症、精神病への無理解とか、先天的な性嗜好への対応とか)
(差別がどうのって話も興味深いけど、とりあえずここではやめておこう。)

言いたいのは、この事件の犯人に対する分析について、「切断の手は自己表現か」「いまだ見えぬ動機」「ホラー映画で殺人に興味」「学校で孤立」ってな題字がニュースで踊ってることが凄く違和感があるってことですねぃ。
今回は、たまたまゲームしてる子じゃなかったんですが、この子の部屋からバイオハザードでも出てくりゃ大騒ぎですよきっと。

この子は取調べで「死体を切断して飾ってみたかった」「グロテスクなものが好きだ」とか言っているわけですよ。
「誰でもよかった」とも。
もちろん、嘘をついてるかもしれないし、警察の発表は一部かもしれない。
でも今のところ知りえる情報の中でこれは最も動機に近い発言のはずだよね。
なのにマスコミで多くの反応は「いったい動機はなんなのだろう?きっと奥深い原因があるに違いない!」とかいうもの。
酒鬼薔薇の時もそうだったんだけど、単純に殺人に罪の意識が無いか、快感や好奇心を持つ子供っていうのが存在する、、という可能性はどうしても認められないものらしいのだ。
性善説でも性悪説でもなく、子供っていうのは産まれたとき成長するときに色々な要素があって、それが何億もいれば1人くらい殺人に興味を持っていたっておかしくないことかもしれないのに、それはありえないことで終わってしまう。
酒鬼薔薇がウサギを解剖したときに射精したという話が示すように、こういった子は例外だ。
そういう子供がいるから現在の子供を象徴している、なんてばかげた話すぎて、どうばかげてるか説明するのも難しい。
なのにオトナは、今の子供の多くの特徴に当てはめ、孤立が悪いだ無口が悪いだ優等生が悪いだ、ゲームや映画が悪いだの言う。
きっと怨恨が。きっとストレスが。きっと重圧が。きっと心の闇が。きっと愛が足りなくて。
そうやって自分らの理解できる場所、特に、「何とか解決できそうで、しかも身近で危機感を覚える、かつ自分たちに責任の無い場所」(つまり学校とかゲームとか特殊な家庭とか)に原因を見出そうとするだけなのだ。

もちろんこういった「例外」を防ぐ手立てを考えることは悪いことではないと思うよ。
それでも、例外を認めずに例外を防ぐなんて無理すぎるじゃないか。
僕らの理解できない、僕らの思考に当てはめて解明できない範囲というのが存在する。彼らのモノサシと僕らのモノサシが違うかもしれない。
そういうスタンスで扱わなければ、恐ろしい事件がありましたね、で終わってしまうだけなんじゃないだろうか。

コメント

1628   投稿者: natyu (2007年06月01日 00:48)

関係あるかどうかはアレですが、
本当に異端な事を突然発作的にやってしまう人って居ますね。

自分の当時の友人ですが、学校に来た講談の先生が立ってる教壇、
そこに置いてあった水を突然飲んだ奴がいました(3クラスの生徒が居る前で)

後で先生に呼び出された際、
「のどでも渇いたのか」との問いにそうだと答えたらしいけど
実際は本人にも「理由が思い出せない」とか「思いつかない」とか言ってた。

本人は思い出す度に薄い吐き気がするとかで
それ以来その話は封印しているらしいです。
(自覚はあり、ソレがどういう事かは認識していたとか)

その他にも吐き気のする黒歴史が幾つかあるらしく、
精神科の先生に聞いても「自分で気をつけるしかない」
と言い切られたとか。

そういう無意識に奇行に走る人も居るって事を知ってからは
青少年以下の猟奇殺人の事件とかを知っても
「ああ、コイツもやっちゃったんだな」て思うようになっ

>きっと怨恨が。きっとストレスが。きっと重圧(ry

アレ?まさか同類?ここまで書いといてorz

3429   投稿者: みえ (2008年02月16日 10:23)

本当に・・・同感です。
それだけですが・・・。

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正しく投稿されてることが多いです。
落ち着いて確認してみてください。)

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