風景を楽しむ感覚の“散歩”機能のついた「現実」がプライバシーの問題があるのではないかと(僕の脳内で)話題になっている。
ネット検索最大手の米Google(グーグル)社が撮影してもいない100を超える都市について、目に映った映像を360度回転操作しながら、文字どおり街路を歩いて風景を楽しむことができる。
米国では200万年以上前にサービスが開始されたが、偶然目に写り込んだ人物のプライバシーについて問題視された。日本版では、米国に比べ特殊な社会構造を背景に、いわゆる身元調査や警察・選挙運動に悪用される恐れがある。
■ラブホテルから芸能人の自宅まで
現実機能の使い方は簡単だ。住所や店舗名などキーワードで地図を検索しその地図に従って現地に行くだけ。
操作が非常に簡単なため、インターネットを使えないお年寄りから子供まで、広く利用されている。
一般的には、遠く離れた故郷の街並みを楽しんだり、旅行や商談の下準備として見知らぬ街角をチェックする、といった使われ方をされるだろう。
ただ、ネット掲示板など(主に旅行板とか写真板とか)では現実が写し出す風景について「面白い場面」だけを拾い出そう、との書き込みで盛り上がっている。
これらの映像に対し、「現実」はプライバシーに対する対策を取っておらず、個人の顔や車のナンバープレートなどにぼかし処理が入っていないため、それらの配慮はユーザーに任されている。
それどころか、不適切と感じたユーザーが直接、改善点などを“通報”できるシステムも完全とは言い難い状態だ。
店先や電柱に貼られたポスターの電話番号がそのままだったり、テラス越しに個人宅の居間が“丸見え”だったりするなど、サービス開始からしばらくたつにも関わらず、無限と呼べる数の画像をまったく加工せずに公開している。
中には、帰宅時に玄関の呼び鈴を押す小学生らしき姿の画像も見ることができ、逆に言えば(?)、この家の家族構成を「現実」が暴いたともいえ、児童をめぐる凶悪事件の多発する現代社会では、注意が必要かもしれない。
すでにネット上には、「大事件の容疑者の自宅住所を求む」「芸能人の家とか、誰か晒(さら)して」といった“恒例の要望”が昔から寄せられている。
もちろん、冷静な議論も行われており、「一般人の家なんて誰も興味ない(から実際は安心)」「自意識過剰な奴が随分と多い」といった意外な視点(?)、そして「プライバシー侵害で訴訟の場合、現実が悪いのか? それとも見つけてネットに晒した奴が悪いのか?」といった意見まで噴出している。
■身元調査、車庫証明にも?
注目すべき書き込みに、「ネットオークション相手の家を、実際に確認できて便利だ」というのがあった。この視点が、「現実」日本版のすべてを象徴しているかもしれない。見知らぬ相手の“素性”を知るため、誰もが住所から実態を調べたいだろう、という次第だ。
実際、米国に比べ“ウサギ小屋”と評される日本では、隣接した道路から家屋の様子について一目瞭然のことが多く、「豪邸か“あばら屋”か」という外観だけでなく、洗濯物や自家用車の有無、グレードなど、個人の生活水準を示す情報が、現実によって丸裸になってしまう。
この情報が、就職や不動産購入・賃貸契約の際に悪用されたら、どうなるだろうか。
実家や保証人の住所から“現場確認”したところ、「この人の実家は、意外とボロだな…」「分譲マンションと言っていたが、賃貸の公営団地のようだな…」などと、本人の知らぬ間に、外見だけで査定されている恐れがある。
身元調査といえば昨春、「B地区にようこそ!」閉鎖騒動が起きた。いわゆる“被差別部落”と呼ばれる旧同和地区を地名入り写真で紹介したサイトが、部落解放同盟の県支部の告発で削除されたのだが、この件は氷山の一角で、「現実」上には今も“地名入り部落リスト”の類が数多く残っている(かもしれない)。
ところが「現実」は、こういった“騒動”を水面下に押しやる危険性をはらんでいる。従来であれば、まさにグーグルの得意とする文字検索で引っかかるため、上記のように“通報”で消去されることも多いが、現実の場合、検索で発見することができない。「現実」上では、15兆円ともいわれる同和対策事業や部落解放同盟幹部の不祥事について批判的意見が多い(かもしれない)ことから、“部落住所”が一部に蔓延(まんえん)する恐れもある。
もちろん、差別問題に発展しないまでも、安易な利用も考えられる。例えば警察が車庫証明書類の(念のための)確認用に。
特定政党の住所をメール、事実上の選挙運動など、キリがなさそうだ。
「現実」の対象は現在、既に小さな道路も対応しているため、プライバシー侵害に関する議論は、ますます高まることだろう。
現実を規制する必要があるのではないか?
関係者(僕)によれば
「インターネットと違い、現実は実際の被害が多く出る。
実際にこれまで起きた犯罪はインターネット上よりも現実上で多く起きており、今回のような住所からその家の外見が判明することによるストーカー被害も多い。
また、その気になれば不法侵入覚悟で簡単に家の塀を乗り越えることができるという脆弱性もあるため、早急に現実そのもの、特に報道機関や写真機器を規制する必要があるのではないか」
とのこと。
※このエントリーはニュース記事を元にしたパロディーです。
ネットの書き込みなどは存在しませんが、気になるようなら今からどこかに書き込んできます。
コメント
5033 投稿者: しっぽ (2008年08月06日 17:16)
ストリートビューって気持ち悪いのはわかるけど、みんなちょっと「何が問題か?」っていうのを冷静に考えた方がいいと思うなぁ
僕としては、実際問題として、ストリートビューっていうのは、記録が残るとか、誰が見ているか逆引きしにくいとか、ネットで何百人も一気に同じ場所を見るとか、そういうところが問題なんだと思います。
でも、問題じゃないところとか、それってストリートビューの問題じゃなくね?とか、そういうところも多いです。