« 公開を停止します(BlogPet) « » 暗算しないでレジ使おうよ。互いの認識の範疇を考えること。 »

2007年06月17日

 はてブの罵倒をネットイナゴって言うのは・・・(ネットイナゴの正しい使い方)このエントリーを含むはてなブックマーク

コンピューターに悪いことをする人をハッカーって言ったり
モバイル端末をユビキタスとか言ってみたり
そういう微妙な間違いなんだけど間違った意味で広まりそうで怖い。

みんなネットイナゴ問題を議論してるように見えて、ネットイナゴじゃないものを話してる人と、ネットイナゴじゃないものの話をネットイナゴだと思って話してる人と、それはネットイナゴじゃないと分かった上でネットイナゴと言ってる人と、ネットイナゴじゃないよ!って言ってる人と、ちょっとややこしい。


微妙な間違いが広まりそうな火元の事件関係参考。
池田信夫 blog はてなの逆淘汰
ネットイナゴ解決策
好奇心と怠惰の間 - ネットイナゴが問題だって? それこそまずはてブで過去の議論を読み返すべきじゃないのか

本来のネットイナゴと、今回のネットイナゴの定義の違い

本来
ekkenさんが、既にあった単語「ネット右翼」が右翼の定義に当てはまらないことから、新用語の必要性を提案し、産まれた単語。 初期の定義は
自分の意見と異なる主張をする者に対して、相手の考えが変わるまでコメントを続ける者
自分が直接コメントスクラムに参加しなくても、それを焚き付ける行為をする者
他人のサイトが「炎上」するのを見て喜ぶ者
単なる荒らしと異なるのは、コメントの際に意味不明な単語の羅列などは行わない事

ということになっている。
ただし、その後広義のネットイナゴとして

気に入らない人間に対し、意味不明な(もしくは比較的意味の薄い)羅列の書き込みを行う人間
ブログ運営者に比較的非があるとしても、それを行き過ぎた正義感で揚げ足取りの罵倒するため集まる人間
さらに広義として、原因を問わず炎上現象そのもの。

という見解も生まれている。

もう少し踏み込んで言えば、ネットイナゴは炎上とほぼ同じ現象を指して使われるが、この2つの境目が表現者のスタンスで変化することになる。
ブログ運営者の明らかな非をコメントスクラムで批判する行為を比較的是と考える人間にとってこれは炎上であり、逆にどれほど正当であろうともコメントを物量作戦で埋める行為を是としない人間にとって、これはネットイナゴが発生している状態である。
荒らされている者が悪いというニュアンスでは炎上であり、荒らしているものが悪いというニュアンスではネットイナゴと呼んでいる場合が多いと思われる。
炎上が現象そのものを指し、ネットイナゴはその現象を引き起こしている人間を指すのは、この現象の責任をどちらに想定するかの差でもあるわけだ。
どちらにせよ共通する特徴は、意見の相違について起こり、大量のコメントと、正義感といったところ。

今回の
結構意味不明なわけです。 今回のネットイナゴの単語は、むしろ「はてブ愚衆」に近いと言えるくらいのもので、本来のネットイナゴとは全然意味も使い方も異なっている。 池田信夫氏のネットイナゴ言及を抜き出せば
同様にネットワークでも、イナゴが群がってS/N比が下がると、ブログの社会的評価が下がる。そうすると、価値の高い記事を書く人にとっては、ブログで得られる評価よりイナゴに食われるコストのほうが大きくなるので、質の高い記事は出てこなくなる。
はてなブックマークは、もとはそうしたメカニズムの一つだったが、それ自体がイナゴの巣になっているのではしょうがない。
はてブがネットイナゴの巣になるっていうのは凄く違和感のある単語だ。 あそこは1人1コメントしかつけられないからね。
小倉秀夫氏も指摘するように
と、la_causette: 嫌がらせに強い人だけしか残らないのでは面白くないにネットイナゴ言及があると書かれているので見てみると、「匿名さんたちからの執拗な誹謗中傷」についての話題が載っていることがわかる。

ここまでで考えられることは、まず本来「大量のコメント炎上」がネットイナゴだったものを
「大量の誹謗中傷コメントによる炎上」の話題を見てネットイナゴを知った池田信夫氏が「コメントによる誹謗中傷」のことであると勘違いした。
実際コメント炎上には誹謗中傷が多いが、その誹謗中傷がどうであるかという内容よりも、量的な問題がネットイナゴを定義付けているわけだし、誹謗中傷は広義のネットイナゴに入るもので、中心からずれたものであるわけだ。
で、次にはてブ界が「イナゴの巣」に反応して、はてブを中心とした誹謗中傷論について語りだす。
そうすると、その記事を読んだ人間らによってさらにもう一段階定義がズレて、はてブでの誹謗中傷=ネットイナゴ になってしまったのだと思われる。
言葉の意味がずれていく過程とはなかなか面白いものなのだけど、ネットイナゴという単語は結構いい単語だっただけに、この意味がずれてしまうとまた新しい言葉を捜さなきゃいけないので、誰かなんとか戻してくれないかなぁと思います。
つか池田さんも、無理してネットイナゴとかいうオサレ(なんだかどうなんだか微妙)な和製英語っぽいものを使わないで、誹謗中傷って言えばいいのに・・・。

「こいつネットについて語ってるくせにネットイナゴの定義間違ってるよwwwwスーパーハカーとか言っちゃうのと同じレベルwww」
とかいうコメント付けまくるネットイナゴが大量発生すればいいんでしょうか。

追記
andalusiaの日記 - 最終防衛ライン2 - 蟲使いとなった池田信夫先生 に対する反論だよ
リアル世界では影響力がないので、ネット上で影響力のある人間に罵詈雑言をぶつけているのがネットイナゴだよ。
なんか新定義されなおしてるぅ。 それってネット弁慶と違うの? あと「ネット上で影響力のある人間」に対してオンリーであって、何か失敗やらかしたブログ管理人を叩くのは当てはまらないってこと? っていうかこの定義はどこから出てきてるんだろう。

ARTIFACT@ハテナ系 - 「ネットイナゴ」の意味が拡散しているのであらためて原典を確認
塾講師のつぶやき - ネットイナゴ
こっちあたりで意味の再確認してるっぽい。
実は原典のネットイナゴの意味からは既に拡大解釈がなされているので、原典そのものが当てはまるわけではないのだけども。

コメント

1648   投稿者: えっけん (2007年06月17日 07:39)

元祖ネットイナゴ研究家の俺が来ましたよ!
最近の「はてなブックマークのネガティブコメント=ネットイナゴ」とする見方は、完全に間違い。
ネットイナゴは他人のブログのコメント欄に粘着的に嫌がらせ行為を行う者、というのが定義です!

1649   投稿者: しっぽ (2007年06月17日 12:48)

えっけんさん来訪記念にイナゴ定義について詳しい文章を追加してみましたよ。

1672   投稿者: つぅー (2007年07月03日 20:28)

しっぽさん。いいことですね。

コメントする

(サーバーが見つかりませんの表示になることがありますが、
正しく投稿されてることが多いです。
落ち着いて確認してみてください。)

はてなブックマーク