音極道茶室: 日本人は「ゆがんだ著作権意識」で洗脳されている
日本の原著作権者は「自分の気に入らない改変は全て認めない」と主張できる、絶対的で不可侵な存在になってしまっている。
「オリジナルは基本的に絶対で不可侵」だという感覚は、日本人の中に無意識のうちに定着していないか。裏を返せば、著作物改変という行為そのものに必要以上の罪悪感を感じてしまう意識。
その感覚は、一見「クリエイティブ」を保護している様でいて、現実には、改変やパロディに内在する「クリエイティブ」を不当に軽んじてしまう事になっている。日本の著作権法がなぜこのような形になったのか、その経緯は知らないが、そこには誰かの意志があり、何らかの力学が働いている。
大筋には強く同意しますね。
作ったものをどうするかは作った人が全部何でもかんでもどうにでもしていい、というのが日本で強く信じられていて、「著作者の権利を守るための著作権」という意味不明なトートロジーがまかり通る世の中はおかしいと思います。
クリエイティブを育てるための著作権、ですから。
文化の発展に貢献するための著作権、ですから。
著作者の権利のほかに利用者にも正当に利用する権利があるわけです。
おふくろさん騒動で言えば、原作者側(川内)が使用者(森)から間接的にでも使用の対価を得ているという状況で、なおかつ冒頭にセリフを追加することを禁じることと、その後それを原因として特定個人に(既に歌が出回っているのに)歌唱を禁ずることが、本当にクリエイティブの発展に効果的なのかを考えたときにちょっとは疑問を持つべきだと思います。
(ここにはサブマリン特許的な問題も指摘できると思います。川内は事情があってこれを天然で実行してしまったので悪意は無いと思いますが、今後別の場所で、しばらく黙っておいて、利用を急にやめられなくなったところで反対して、示談金を取るというビジネスが出現する可能性とか。)
川内側に管理の怠りがあったともいえますが。
早い話がJASRACの標準(金さえ払えば改変OK)以外の権利(いくら金を積んでも改変を認めない)を行使するのであれば予めその旨を明記しておかなければいけないと思うんですよね。
じゃなきゃ歌を作っちゃって売っちゃった後じゃ引っ込みがつかないじゃないですか。
いや森も先に確認しろよ!って感じですけどね。
なんだろうね、これくらいいいじゃんって思っちゃったのかな?
(あまり詳しく書きたくないのですが、この歌詞の同一性保持権を侵害してるかどうかも、裁判で争っているわけではなく原作者側の主張で、しかも結構怪しい(追加部分が気に障る場合は、名誉声望保持あたりになるんじゃないかなぁと思うのだけどどうなの?)とも言われているので、鵜呑みにしてはいけないはず。)
国際標準がどうのこうのっていう部分には確かに??となったのですが
よく見ると70年延長問題へのあてつけの意味以上には無い様で、
むしろ国際標準なんていう曖昧なものを持ち出すのではなくベルヌ条約を使ってる辺りは意義深いと思います。
いや、森の行動はムカつくし、森にだって相当の落ち度があるし、川内の曲は神なんですが。
それとこれとは別。
コメント
1376 投稿者: くるみ (2007年03月06日 17:18)
権利が何か目的のために作られる便宜的なものであるならば、その定義にあまりとらわれるべき理由もないように思えるのですが、いかがでしょうか。
1378 投稿者: phantom (2007年03月06日 17:41)
森氏対川内氏の対立という話を、たった今知ったので、見当違いな事を言っているかもしれないけれど。
「オリジナルは基本的に絶対で不可侵」な割には、コピーへの心理的抵抗が小さいという現状があるような気がします。
例えば、p2p・nyや、割れ物の普及利用率とかは、かなり高いのではないかと。
他の誰かが著作権を侵害することは許せないが、自分がする分には構わない、みたいな、ダブルスタンダードがあるんですかね?
1380 投稿者: wan (2007年03月06日 19:56)
>>phantom
横からですが、「コピー」は「オリジナルへの侵入」から一番遠い行為にあたると思います。
理由は、コピーとは「オリジナルの増殖」だからです。「オリジナル」が何かしらの被害を受けることが「侵入」とするならば、コピーは逆に「オリジナル」の勢力を増すことになります。
p2pが問題になるのは、その結果として権利者に金銭的な被害が及ぶ可能性があるかですが、オリジナルの作品事態(もしくは、作品に対する作者の心情)に何かしらの被害があったわけではありません。
(実際、自分の作品が広まるのは作者にとって望みの一つですから)
その一方で、一番侵入度が高いのが、「剽窃」(他人の詩歌・文書などの文句または説をぬすみ取って、自分のものとして発表すること)だと思います。これに関しては、ネットだろうがどこだろが批判が多いですね。
「改変」はその中間あたりぐらいでしょうか。
1381 投稿者: wan (2007年03月06日 19:59)
訂正
可能性があるか
↓
可能性があるから
事態
↓
自体
失礼しました。
1383 投稿者: しっぽ ◆fdGP2uSVfg (2007年03月07日 06:55)
>>1376 くるみ
その質問は曲解すると状況によりどちらでも取れるように思えるので、はいともいいえとも答えられないという回答になります。
申し訳ありません。
>>1378 phantom
心理的抵抗が小さいの主語は「一般的なネットユーザーは」で良いでしょうか?
そうですね、まあ単純に自分の作品が改変されるというものへの嫌悪感は共有できるものの、作品の権利状態は容易に想像しにくいため、乗り超えてしまう敷居が低い、とか。
色々考えられますね。
1384 投稿者: しっぽ ◆fdGP2uSVfg (2007年03月07日 07:03)
>>1380 wan
その分類は、改変はそれが著作者に利益が行く場合とそうでない場合について分けて考えるべきかなーと思います。
この事件で興味深いのは、契約により明らかに使用者が権利者に相応のロイヤリティを支払っているにもかかわらず、権利者はなお使用者の使用を差し止めることができるのか?という部分ですね。
契約書を見ないとなんとも言えないのですが、予めまったく変形せずに発表する、という旨を約束しているかどうかが気になります。
1385 投稿者: wan (2007年03月08日 01:00)
>>1384
そうですね。個々の契約しだいでは、上の分類の順位も変わってくると思います。
他人の文章などを自分のものとして発表するのでも、ゴーストライターとしての契約を結んでいればまた別でしょうし。
1386 投稿者: MO (2007年03月08日 01:19)
著作者の多くは、自分の著作物を完全にのコントロールしたいと考えていると思うんですけども。
しっぽさんは、ご自身のFLASH作品について、無断転載は禁止しているようですが、改変・パロディ化されることについてはどうお考えですか?
1387 投稿者: しっぽ ◆fdGP2uSVfg (2007年03月08日 02:07)
データ流用での改変は別の問題がありますよねー。
そうではなく2次だと仮定して答えます。
楽曲と絵は別の権利者なものがあるのでなんとも言えないのですが、
それを除いたものに限って言えばOKですよ。
というか、なんとも言えないと言いましたが、Flashを作る人でそれについて文句を言う人はあまりいないと思います。
2chネタはそもそもAAネタの改変ですしね。
内輪パロディは(あまりネットに流れずほぼイベントですが)ものすごい数ありますし、有名職人が関わってわいわい作ってることもよくあります。
自分の著作物を完全にコントロールしたいのであればそういう契約を結べる相手だけに渡すべきなのです。
JASRACはそういう相手ではないわけですし、少なくとも国内どこにもそんな企業は無いと思いますが(採算取れないので)。
ネットに公開するのであれば、最初からその契約が無効になる世界なのですから、そこで自分勝手を効かすのがそもそも間違いですよね。
完全にコントロールしたいのであれば公開しなければいいんです。
広く人に広めて、多くの人に楽しまれて、全部コントロールしたいなんて、わがままだと思いません?w