『著作権者のコンテンツをユーザが勝手に利用する仕組みを確信犯的に提供し、その著作権侵害チェックをして著作権料を支払うふりをしながら、実は著作権者のコンテンツにCMをつけた利益から一部を払っている』という見事な仕組みを狙っているのではないでしょうか。
感想↓
( д ) ゚ ゚
いや、やばいねこれ。
やばいっていうか凄い。
この凄さはもう、例えられないけど、もしかして上手くいくならGoogle作っちゃうのに匹敵するかもしれない凄さ。
金子氏でさえたどり着けなかった、共有コンテンツと著作権の共存をYouTubeが実現しちゃうかもしれません。
そりゃGoogleも買収しようとするよ。
特に例えば元々日本の深夜アニメとかって、アニメそのものが広告であるという性質が強いものってあるじゃない。
つまりDVDとかグッズとかCDで稼いで、そのお金でアニメを作っているというもので、そういうのってぶっちゃけ著作権違反されてどんどんアップされてもあまり痛くない。
ほら、ハルヒなんかは逆にYouTubeのおかげであれだけ有名になったとも言えるじゃない?
で、こういう構図を全コンテンツに広げてしまうという超凄い発想。
っていうか別にこれだけならテレビのCMと何も変わらない程度の発想なんだけど、それに至るまでの戦略が凄い。
新しい事業の広告主って集まりにくい面があって、どうしても不利な値段になるし、その値段がずっと定着してしまって後の経営に大きな悪影響をもたらしたりする。
それに、もしYouTubeが最初から綺麗な広告戦略を打っていたら今のような大きなコンテンツと化けることは無く、適当なびみょ~なコンテンツの配信だけやってる中小サービスになっていた可能性が高い。
日本で言う第2日本テレビとか、Gyaoとか、あそこらへんと何も変わらない。
実際にGyaoは広告料金の問題で赤字に悩んでるとか。
ところ、が、
今現状のこの大きく成長しきった、ユーザーがよってたかって集まる大変な著作権侵害楽園と化した状態で一気にそこへ進むのなら状態は全然違う。
大きなコンテンツ価値は既にアピール済みだし、Googleが買うほどの将来性がある!そしたらもう広告主にとっては是非契約を結びたい相手になるわけで、凄く立場が良くなるし、無理もきく。
結果、引き下げられた著作権使用料と、引き上げられた広告料金によって相場を作り上げることができる。
もしも、
もしもだよ?
JasracなんかがYouTubeとこの契約を結んだらどうなる?
あー、いや動画つきの使用は別になるのか?まあいいや面倒だからJasracが万が一そこら辺もOKな契約を結んだとするね。
そしたら、例えばユーザーが黒作品を作ってYouTubeにアップロードしたら、その著作権料はなんとYouTubeが支払ってくれる!
で、YouTubeはjasracに著作権使用料を払いつつ、音楽関係(じゃなくてもいいけど)の広告を表示してそこからお金をもらう。
広告費 > 著作権利用料であることは大前提として、広告主側にとっても、広告効果 > 広告費 が見込めるのなら
↓ │
製作者 ─ コンテンツ ─→ YouTube ← 広告費用 ┐
↑ │ │ │
賞賛・評価 観覧 └ 著作権使用料 ┐ │
│ ↓ ↓ │
└─ 一般ユーザー ── 広告効果 ─→ 広告主(権利者)
この図が成り立つ。
なんだこれ、完璧すぎるよ!
※広告主と権利者は同一でないのだけど、面倒だから「他社」ということで一緒に。
成功しそうな今の黒いコンテンツとしては、アマチュア黒作品、日本のアニメ(アニメ自体が広告になっているもの)、ゲームのプレイ動画(ゲームの広告になる)、音楽プロモ、
早い話が今深夜TVでやってるそれ自体がCMになるものとか、制作費用が低いものは親和性が高い。
逆に映画とかそれ自体でお金を取ってるものは難しい。
ちゃんと広告契約して、公開の期間の決定とか色々細かいことが山積み。
まあ問題点は色々あるよね。
まずあのうるさいJasracとか権利会社がそんな契約結ぶか?っていうとわかんない。
っていうかjasracは何考えてるかわからないしなー。
お金になることならやるのかもしれないけど。
著作権の使用をチェックする方法は発明したって自信満々に言ってるから、まあ大丈夫か。
他には動画と音楽の場合は、動画が音楽に悪影響を与える可能性も考慮しないといけないし、同じく中傷、活動的、思想的、暴力的な内容のコンテンツはどう扱うのかってのもある。
MAD作品とかは、著作人格権の関係上色々あるかもしれない、が、まあ持ってるのが権利会社じゃなくて個人なので意外とOKくれるかもね。
あと、広告効果 > 広告費 > 著作権利用料 ということが条件なので、まずこれが成り立ってないとダメだね。
ユーザーが広告を消す方法を作って、積極的に広告を見ない、とかになると失敗してしまう。
現状、黒FlashをYouTubeに上げる、なんてことをしてる人がいるのだけど、これが堂々と大手をふるってできる時代が来るのか。
動画とアマチュアコンテンツの歴史が大きく動く、のかもしれない。
コメント
869 投稿者: natyu (2006年10月10日 10:13)
>コレはやたら興味深い話ですねw
もし、上図の構図が実現したらば
アマチュア含む製作者と(中小?)企業にとって
才能の売り出しと宣伝効果を両立させる
ある種のブルーオーシャンが生まれるかも!?
*ブルーオーシャン(戦術)
→企業競争の始まってない新市場を生み出す事
>…でもそうなるとすれば気になる点も(;^_^)
例として、24Hの触んなヴォケ!みたいな
載っけてもすぐ消されるヤツ。
削除依頼しました。そしたら広告出してた企業が
「ゑ?消しちゃうんですか!?広告料はどうなるんですか!?!?」
…みたいな面倒臭い事になりそうな気が。
その結果、対処として幾らか規制作っちゃったら
「もうそんなYouTubeはYouTubeじゃないやいっ」
とかの風評になって徐々に廃れたりするイメージが…
(広告を乗っける動画を選べるのか自動的に選ばれるのかで
話が少し変わってくるしそれも気になりますが)
向こうも食って行かなきゃなのは解りますが、
システムはともかく、あまり企業色は付いて欲しくないなぁ。
…あと、最近覚えた言葉を使ってみたかっただけです(ォィ
ごめんなs y-(;゚Д゚)∴ターン
870 投稿者: しっぽ (2006年10月10日 11:40)
なんか引用符の使い方がとても気になるしっぽです。
あ、あとブルーオーシャンとはちょっと違うと思いますw
>消しちゃうんですか!?広告料はどうなるんですか!?!?
それは無いと思いますが。
ちょっとどういう状況を指しているのかわからないのですが、広告は独立して画像に挟まるものかと。
効果成績はしっかりと出るでしょうし。
Googleと手を組んだならもう広告主の問題には悩まされないでしょうしね。
>システムはともかく、あまり企業色は付いて欲しくないなぁ。
いや別にこれはYouTubeが金儲けをするシステムではなく、むしろ今YouTubeが大量の裁判を受けてつぶれそうになっている状態を考えれば普通かと。
今までどおりがいいっていうのは、YouTubeは潰れろ、と同義語です。
871 投稿者: wan (2006年10月15日 03:59)
動画をダウンロードできるのを防止した方がいいのでは、と思っていましたけど、動画にはさむ形式の広告なら、逆にダウンロードできた方がいいのか、うん。
ウィニーの金子氏が、大きな流れを作ってしまえば、それにあわせて現実が変わるとか、そんなこと言っていたらしいですが(『ネット社会の未来像』からの記憶)、これにピッタリだと思いました。(ウィニー自体は、地下に潜ったままの感じですが)
何故、p2pは一般のパソコン雑誌などのメディアには好意的に取り上げられず、youtubeは好意的に取り上げられているのか(ワーナーが提携する前から)も気になるところです。
本筋と関係ありませんが、「広告」ってすごいんですね。私にはそんな大きな産業と思えてなかったんですが、グーグルとか、一般のブログとかが「広告」で生計を立てている(そして、無料でサービスを受けられる)のを見ると、かなり大きな産業なんですね。そこに感動してる自分がいます。
872 投稿者: しっぽ (2006年10月15日 19:34)
>逆にダウンロードできた方がいいのか
まあこれはテレビのビデオの問題と似ているような気もしないですが
YouTubeやGoogleの精神としては、ビデオをダウンロードさせずに強制的に広告を見せるというよりは
ダウンロードする必要がそもそも無くなる、という方向へ進むのではないかと思います。
つまり、ダウンロードというのは大きく、次見るときのロード時間を無くすという意味と、
消えたときの保証用という2つの意味があります。
ということはYouTubeが著作権的に保護されるようになり、回線速度も上昇すれば別に保存しなくてもいつでも見られる、ということになってDLの意味はなくなってくるはずかなーと。
また、そもそも保存というのはコレクション色の強いもので、他人に大々的に見せるというよりは個人利用が多いため、あまり問題にはならないと思います。
それよりも、むしろYouTube上の広告を消して見られるほうが問題かな、と。
>p2pは一般のパソコン雑誌などのメディアには好意的に取り上げられず
いえ、これは認識間違いです。
WinMXは逮捕者を出す前は好意的に取り上げられていて、逮捕者以降にゆっくりと評価が悪くなっていったはずです。
有名なWinnyが登場したときは、既にWinMXによる逮捕者が出たあとだったため、そのような認識があるのかと思いますが、
何も無い状況においては両者の扱いにそれほどの差があるようには思えません。
>広告について
広告はそれ自体はそれほど効率のいい産業ではないのですが、ひとえにその特殊な形態が関係していると思います。
まず、消費者を相手にしつつ、消費者から金銭を得ません。
これは非常に大きなことで、特に日本人なんかはネット上でお金を払いたがらない人種だということはよく知られていますが、広告ならば無料と題打つことができます。
テレビの民放がこれにあたりますね。
また、そこに人が関わるのであれば、たとえ何であっても広告を載せることができます。
というわけで、広告は「何にでも親和性が高い」というとんでもない特質を持ちます。
ネットという、「お金」と相性の悪い世界で広告が注目されるのこういう理由でしょう。
広告の弱点としては、その形態を間違えればユーザーに大きな悪印象を与えるということです。
これはJWordを例に考えればお分かりいただけるかと思います。
873 投稿者: wan (2006年10月15日 21:15)
>>逆にダウンロードできた方がいいのか…
なるほど。
>>p2pは一般のパソコン雑誌などのメディアには好意的に取り上げられず…
>>広告について…
意見、情報ありがというございます。勉強になります。
874 投稿者: wan (2006年10月15日 22:35)
追記:
>>p2pは一般のパソコン雑誌などのメディアには好意的に取り上げられず…
自分は、youtubeを動画版p2pみたいな物(仕組みが違うのは理解していますが、機能は同じという意味で)だと思っていました。だから、しっぽさんのコメントで知った、MX後のウィニーの様にメディアで扱われるだろうと思っていたんですが。。やはり、一般では別物として見られているんですね。
追記、失礼しました。
876 投稿者: +1 (2006年10月21日 14:44)
面白い!
YouTubeもDivXStage6もパロディを公開する人にとって大変ありがたい場かもしれませんね^^
私自身、アニメやゲームのプレイ動画、MADを見て実際に買っちゃったものもいくつかあります。
何秒かの試聴というけち臭いものじゃなく、ユーザーが自分の満足する内容でプロモーションするのだから、購買欲がそそられるのも無理ないかな?
圧倒的な販促と見るか、商品の垂れ流しと見るか。
879 投稿者: しっぽ (2006年10月23日 02:33)
>+1さん
でも、ちょうどこの前大量削除されちゃいましたね。
やっぱり契約は難しいのかも・・・