前置き この文章は理論の流れを理解するためのもので、微妙なニュアンスが削られている。 かならず原文を読み、これは原文の補助として活用するのが目的である。 この議論は http://tail.s68.xrea.com/blog/2006/12/post_45.html http://tail.s68.xrea.com/blog/2006/12/post_47.html の2つのエントリに目を通していることを前提で行われている。 コメント者による定義部分 [定義]性欲を我慢する=自慰行為によって実際の行動に移すのを我慢する。 [定義]社会的=常識とか道徳心という意味 管理人による分解解析(原文http://tail.s68.xrea.com/blog/2006/12/post_45.html(コメント部)) 性交を一生しない人間は異常性愛者より多い ↓ 性欲は我慢できる。・・・(1) (根拠の根拠不明【2】。根拠と結論の関連性が理解できず。結論に異議はなし) 異常性愛者の売春は社会的にも法律的にも罪である(A) ↓ 異常性愛者は一般性愛者より、性犯罪を抑止する逃げ道が無い・・・(6) (根拠と結論の関連性が理解できず。結論に異議あり【1】) 素人童貞はさらに多い & 異常性愛者用の売春は存在しない(B) & (6)より ↓ 異常性愛者の(社会的)犯罪率は一般性愛者よりも多い・・・(2) (根拠の根拠不明。根拠理解できず。根拠と結論の関連性が理解できず。結論に異議あり【2】) 日本の法律で売春は罪 ↓ 性欲を我慢できない人は全て犯罪者だ・・・(3) (根拠と結論の関連性が理解できず。結論に疑問あり【3】) 人には犯罪者にならない権利がある & (3)より ↓ 異常な性欲過多は場合により治療が必要 ・・・(4) (犯罪者にならない権利については不明。結論は大まかに同意だが、異常な性欲過多というよりは、性欲が社会と著しく衝突する場合、か?。※2) (「よって」とあるが、(1)〜(4)のどれが根拠になっているのか不明)性的な犯罪の本質は異常な性欲過多と犯罪意識の希薄。 ↓ 誰もが犯罪者側になりうる可能性がある。 ↓ すべての責任を異常性愛に押し付けようと無意識に考える(主語不明)・・・(5) (根拠と結論の関連性が理解できず。結論に異議あり【4】) (5)により社会的な線引きが難しい (【4】より理解できず。) 性欲は制限されるべきである。 (性欲が、性的な犯罪という意味なら理解できる。) 異常性愛は抑圧と差別されるべきである。・・・(7) 性的な事はある程度抑圧し差別するべきである。・・・(7’) 子供を残さない性行為を罪とするのは合理的である。・・・(7’’) 自分の性癖を公の場で語ることは許されない。・・・(7’’’) ↓ その事(7〜7’’’までのどれを指すか不明。どれにしろ文章が通じない)と性犯罪を一緒にするのがおかしい。 (7に意見あり【5】。7’’に異議あり【6】。7’’’に異議あり【7】。結論が理解できず。) [単独主張]性犯罪の根本の原因は異常性愛ではなく性欲過多である。(C) (異議あり【8】) [単独主張]性欲過多を性犯罪の根本的な原因と定めるのは難しい。(D) (異議あり【8】) [単独主張]児ポ法は性欲過多を取り締まるよりも小児性愛を取り締まる方が簡単だから実現している。 (懐疑的) [単独主張]属する社会において、その社会の常識で罪は決定される。 (罪の定義がブレすぎていてわからない) 管理人による異議部分 【1】 例えば同性愛者は異常性愛者であるが、お互いを愛し合っているカップルは売春によらずに性行為を行えるため、この結論は偽である。 また、小児性愛など実効即罪なものは他の性愛に比べ本人の罪の意識が大きいため、性犯罪を抑止する力が働いているはず。よってこの結論は偽である。 異常性愛者も一般性愛者も売春は罪であると書いているにも関わらず、異常性愛者の売春が罪であることが異常性愛者と一般性愛者との差異の理由になるのはおかしい。 【2】 素人童貞は多い、及び、性交を一生しない人間は異常性愛者より多い、の根拠不明。ちなみに一部の資料(※1)によれば同性愛だけで全体の2〜7%なので、性交を一生しない人間と素人童貞がそれぞれ、これ以上いなければならないことになる。 合法な性的対象が無ければ犯罪に走るという理屈は飛躍している。 【1】【2】 (A)と(B)に理論的な矛盾が見られるのでこの部分が何と何を示しているのか読解不能。 【3】 特定のパートナーと性行為する場合は? 2次元コンプレックスなど、実行≠罪の場合は? 【4】 根拠からどうしてこの結論がでるのか理解できない。 根拠の主語が不明。社会? 社会だとして、個人的に「責任を押し付ける形になっている」とは思うが、「責任を押し付けようと思っている」とは思えない。 逆に「責任を押し付けるつもりではないが、そういう形になっている」と考えている。 【5】 この場合このエントリで話し合う余地が無い。 【6】 根拠がわからない。 ちなみにこの思想はキリスト教(レビ記)等の宗教によって日本に伝来したものだが、 その前の日本国および世界の多くの国では子孫を残さない性行為は罪とされていなかった。 また動物にも子孫を残さない性行為をストレス発散に利用する行為が見られ、動物学的にも自然なことであると言える。 よってこの思想は原始社会において性病の蔓延を防ぐためのものであったか、宗教と共に人為的に後から作られた迷信に近いものであると思われる。 【7】 一般性愛者が好みの異性を公の場で語ることは許されているはず。 異性愛者だけが好みを発言できない不利益を受けるのはおかしい。典型的な常識の絶対思想。 【8】 (C)の立証を(D)で否定している。立証できないと言っている事を根拠に使用している。 コメント者の仮定ということか? だとするとほぼ全ての理論が仮定の上の理論になる。 【その他】 全体的に、「自慰行為によって性欲が満たされなければ犯罪に走る」という主張が見受けられ、これが理解不能。 ※1 宗像恒次編著「青少年のエイズとセックス」(1996年, 日本評論者) http://www.ne.jp/asahi/genius/loci/list2.htm より。 他に キンゼイレポート、ハイトレポート、モアレポート、セックス・イン・アメリカ、ギャロップ調査、NHK等による統計 では4%〜10%以上 WikiPediaによると イギリスにおける調査では、男性の3.6パーセント、女性の1.7パーセント。両性愛者を除くと、男性の1パーセント、女性の0.5パーセント。 1992年のアメリカ国家世論調査センターによる調査では、男性の2.8パーセント、女性の1.4パーセント。 1995年のハーバード大学によるアメリカにおける調査では、男性の6.2パーセント、女性の3.6パーセント。 ※2 そもそも治療不能とエントリー内で主張しているのだが・・・